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まじで 恋した 5秒後
2024
05,21

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2010
03,31


平和島兄弟のお話。
ほのぼのとしてます。
そしてシズちゃん視点です。

あくまでも、妄想なので・・・
実際のところの彼等の過去をより詳しく知りたいとこです。















『幽くんのお兄ちゃん知ってる?』
『すぐ暴力ふるうんだよー!!』
『怖いよねー!!』
『近所の優お兄ちゃんが怪我してた!!』
『鼻の骨が折れたんだって!!』
 
 
【兄貴のほうは勿論。幽くんにも 近づかないほうがいいよ!!】
 
 
 
物心ついたころには、幽はいつも1人だった。
 
幽が悪いわけではない。
悪いのは、幽の兄であるこの俺。
俺が拳を振るう都度、幽の友達は1人・・・また1人と幽のもとを離れていった。
恐怖に染まった視線を向けて 心ない言葉を吐いて。
 
奇妙なことに、幽は1度も泣きも喚きもしなかった。
そして原因であるこの俺に文句1つ、零しもしなかった。
離れゆく友人の後姿を無言で眺めているときいったい何を思っていたのだろう。
この俺には分からない。
いや、もしかしたら分かろうとしていなかったのかもしれない。
 
 
『兄ちゃん。待って。』
 
 
いつもいつもそう俺のことを呼んで、後ろをついてきたのを覚えている。
雨の日も風の日も、腹立つほど晴れの日も。
小学校を休まない限り、毎日一緒に登下校をした。
 
楽しかった。
 
 
『今日の晩ご飯なにかな。』
『母さんは、カレーだって言ってたよ・・・。』
『本当か?!かすか!』
『うん。』
 
 
会話は日常的なものばかりであったが、それが幸せだった。
8割方話すのは俺。幽は頷くことが多かった。
自分から話すことは滅多になく
幽から話題が提供されたときは嬉しくて、よく食いついたことも覚えている。
 
懐かしくてちょっぴり悲しい想い出。
 
 
 
「兄さん。」
「あ?」
「・・・・ごめん。兄さんのプリン・・・・待ってる間に食べちゃった。」
「・・・・・・おい。」
「お腹空いてたから、食べた。うん。」
 
 
今も。
 
芸能人となり有名になった幽は毎日忙しそうだが
こうやって時折時間を合わせて会っている。
あの子供時代のように毎日会うことはできないけれど
それでもこうやって会って会話ができるだけ幸せだと思っている。
 
 
「ったく・・・しゃあねえなあ・・・。」
「・・・・・・・。」
「なんだよ。」
「兄さん、今度バケツプリン作ろう。」
「・・・・・は?」
「でっかいプリン。一緒に作って、一緒に食べたい。嫌?」
 
 
相変わらずマイペースというかなんというか。
性格が変わらずそのまま成長したような幽。
そんなこと言えば、『兄さんもだろ』と言われそうだけどな。
 
 
「嫌なわけねえだろ。・・・・てか卵いくついるんだ?」
「知らない。」
 
 
今の幽は。いや、昔からずっと。
俺の弟として生まれたことをどう思っているのだろう?
その答えは幽だけが知っていて
尋ねることがない限り兄弟の俺でも知ることはないだろう。
きっと。  
 
 
「ああ、幸せだなあ。ね?兄さんは?」
「えっ?!」
「・・・・・・なんでそんなに驚いたの?」
 
 
 
 
以 心 伝 心

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